突然、会社の上司に呼び出され「○○くん、申し訳ないけど来期から千葉支店に行ってほしいんだけど頼めるかな?」と転勤の辞令がやんわりと、そして有無を言わさず決定してしまうことがあるかもしれません。
”転勤ならもっと早く行ってくれれば…”など思いつつ、まずは前任者などとの引き継ぎと並行して引越し先の家さがしから始まり引越し屋さんの見積り、家財のダンボール詰めなどやることは多いものです。
その際に自動車も一緒に”駐車場高い!”と思いつつも持ってくることもあると思います。
そんな引越しで市役所での住民票変更手続きや郵便物の転送届、クレジットカードや銀行口座の住所変更は行うものの自動車のナンバー変更は後回しにしてしまいがちかもしれません。
また、個人売買のオークションで普通車を売買契約が成立したとき、友人が新しい自動車を買ったから「今まで乗ってた車いるならあげるよ」ということもあると思います。
このような「転居などによる普通車のナンバープレート変更、個人売買などによる所有者の名義が変更」する場合に便利な制度が「出張封印」と呼ばれるものです。では以下に解説をしていきます。
自動車における封印
まず「封印」とは、軽自動車や一部の二輪車(バイク)を除く自動車(普通車など)の後ろ側ナンバープレートの左側に付いている王冠のようなもののことです。
原則として”住所変更や名義変更など”で自動車のナンバープレートが変更となる場合はお住まいの住居(車庫)を管轄する陸運支局へ対象となる自動車を持込み、各種手続きを行った後に担当職員に封印をしてもらうこととなります。
出張封印とは
そこで「出張封印」に戻りますが、主なメリットは「管轄の陸運支局への自動車を持ちこむ必要がない」ということになります。
一般的な官公署で共通なこととして受付が”平日の日中”ですので、自分で行おうと考えても管轄陸運支局への車両持込みから手続き書類の作成などを考えると有休など使わざるを得ないのが現実でしょう。
どこでナンバープレート変更と封印作業を行うのかというと、「ご依頼人の車庫」で完了します。
したがって車両の持ち込みが不要ですし、複数台の自動車で各種変更を行うなど数人又は複数回で行く必要がなく便利です。
なお、この出張封印という制度は指定団体から委託を受けた者(正式には出張封印取付作業代行実施者)が行えることで、行政書士にも専門研修受講後に特定の保険に加入し推薦状を受けた者のみが取り扱えるため誰でもというわけではありません。
出張封印ができない、困難な場合
出張封印制度は自動車の持ち込みが不要などのメリットがありますが、以下の場合などでは出張封印での取扱いができないという注意点があります。
- 自動車販売業者(ディーラー、中古車販売店など)が伴う名義変更
- 新規登録車両(中古新規含む)
- 同一陸運支局内でのナンバープレート番号のみの変更
- ナンバープレートへのサビや特殊なネジ使用で取り外せない
- 光るナンバープレート など
まとめ
出張封印という制度自体がまだまだ認知されていない部分がありますが、とても便利な以下のようなメリットのある制度です。
なお、当事務所でも千葉県内への変更について出張封印による住所変更/名義変更など取り扱っていますのでご利用をお考えの方は是非ご検討下さい。またご不明点などございましたらお気軽にご相談ください。
- 該当する自動車を直接に管轄の運輸支局まで持ち込む必要がない。
- ご自宅や勤務先の車庫/駐車場でナンバープレート変更及び封印作業ができる。
- 同時に複数台の変更の場合でも数人/複数回行く必要がなく手間や時間、経費もかからず経済的。
- ナンバー変更、封印取付だけでなく、車検証などの書類手続きもまとめて行える。